mcframe GAでメキシコ工場の生産業務の一気通貫を目指す 本社主導で早期導入を実現
ゴム製品に必要となる「マスターバッチ」の分野で、業界でトップシェアを誇るエラストミックス。最大の特長は、マスターバッチの生産および販売に特化していることだ。現在、全体の約6割を占める自動車向けマスターバッチ事業の拡大を目的に、2017年にメキシコに新会社、ELASTOMIX MEXICO S.A. de C.V.を設立。メキシコ拠点で「mcframe GA」を採用することで、生産業務の一気通貫を実現した。
海外拠点向けのERPパッケージとして使い勝手を高評価
将来的に他拠点での展開も検討
自動車業界のグローバル化にあわせ海外拠点を設立し事業拡大を目指す
株式会社エラストミックス(以下、エラストミックス)では、自動車業界のグローバル化にあわせ、1996年より中国に3拠点、2000年にタイ、2013年にインドネシア、2017年にメキシコに拠点を展開し、グローバル市場における事業拡大に取り組んでいる。これまで同社の海外拠点では、中国工場に導入されている中国製のERPパッケージをカスタマイズして、タイ工場、インドネシア工場に順次展開してきた。しかし、中国に最適な仕様であったため、それ以外の国では使いづらいという課題があった。
エラストミックス 企画管理部 副部長の樋口智己氏は、「タイ工場やインドネシア工場で、決算の電子申告をするときにも、中国仕様なので処理しにくく、各国に合わせた改良がさらに処理を複雑化しているという課題がありました」と話す。そこで2017年にメキシコに新たな現地法人であるELASTOMIX MEXICO S.A. de C.V.(以下、エラストミックスメキシコ)を設立するにあたり、新たなERPパッケージ導入の検討を開始。採用されたのがmcframe GAだった。
アジア以外で初の生産拠点 実績を評価してmcframe GAを採用
メキシコ工場は、主原料を輸入しており、原料を移動するためのタイムラグが発生し、ほかの工場よりも生産リードタイムが長くなり、より厳密な生産計画が必要だったため、mcframe GAを基盤とした生産と原価の対応が必要だった。樋口氏は、「特に原価計算システムは当社独自の仕様の上、多くのデータ、情報を必要とし、関連する他システムとの連携が必要です。また、販売、購買、生産実績なども、エラストミックスの仕様にあわせた機能が必要でした」と語る。
エラストミックスメキシコでmcframe GAを採用したのは、同社のIT環境をサポートする日本コンピュータ・ダイナミクス株式会社(以下、NCD)の提案だった。樋口氏は、「日本の本社の財務会計システムとして導入されている外資系ERPも検討しましたが、コスト的に見合いませんでした。mcframe GAは、会計管理を中核に販売、購買、在庫管理が統合されていること、メキシコでも導入実績があることなどを評価して採用を決めました」と話す。
エラストミックスメキシコ Presidentの松浦公彦氏は、「2018年1月より生産開始が決まっていましたが、スケジュールを遅延なく進めることができました。現在、生産計画を手作業で作成しているので、今後これを自動化したいと思っています。これにより、配合、製造、入庫、出荷という一連の作業のより一層の効率化が期待できます」と話している。
配合から購買、販売まで生産プロセスの統合を実現
日本国内のシステムは、独自開発のため、配合は配合で、生産は生産で、販売は販売で、会計は会計でと独立した仕組みになっている。メキシコ工場は、mcframe GAを導入したことで、配合から購買、販売までの生産プロセスが統合され、業務の一気通貫を実現した。「mcframe GAの導入プロジェクトに参加して、ERPパッケージのメリットを実感しました。今後、他拠点のシステムを、mcframeに移行することも検討します」と語る。
生産部門におけるmcframe GAの活用について、エラストミックスメキシコ Production Department General Managerの小林浩史氏は、「日本で研修を受けるときに不安があったのですが、操作を覚えてしまえば入力も簡単で、帳簿がすぐに出せるので実績管理が非常に楽です。現地スタッフも、すぐに使えるようになり、現在ではすべてのデータを入力してくれています」と話します。
また、販売業務および購買業務におけるmcframe GAの活用について、エラストミックスメキシコ Sales Department Chiefのスセット バルガス氏は、「まだ完全に使いこなしていない機能もあるのですが、現状では非常に使いやすく、作業もスムーズなので満足しています。今後、何か問題が発生したり、わからないことがあったりしても、エリックさんやNCDがサポートしてくれるので安心して利用できます」と話す。
システム管理について、エラストミックスメキシコ System Administrator Chiefのエリック ベルナル氏は、次のように話す。「まだ生産量はそれほど多くないのですが、今後生産量が増えると、導入効果も見えてくると思うのでチェックしていきたいと思っています。NCDは、システムを完全に理解してサポートしてくるので助かります。新しい機能を追加したいなどの相談にも素早く返答をもらえるので安心感があります」
エラストミックスメキシコでは、現在、事業のスムーズな立ち上げと、メキシコ特有の煩雑な税制や会計制度などの主要な法規制への対応のため、財務会計システムをアウトソーシングしているが、それもmcframe GAでの管理に移行していく予定だ。そうなれば、ほぼリアルタイムに損益を把握できるようになる。樋口氏は「国内では、製品別の売り上げと原価を比較して製品別の利益を求めていますが、mcframe GAでの統合が実現すれば、製品別利益もリアルタイムに把握できます。これにより、これまで以上に迅速な経営の意思決定が期待できます」と話している。
エラストミックスが目指す一気通貫のシステム関連図
導入企業概要
1964年の創業以来、「Materials Innovation--精練加工技術を基本とするマテリアルを通じて価値を創造し、人間社会(人・社会・環境)に貢献します。」という企業理念に基づき、自動車、電化製品、精密機械、建築資材、スポーツシューズ、接着剤など、ゴム製品の素材であるマスターバッチの製造および販売をグローバルに展開している。
商号 | 株式会社エラストミックス ELASTOMIX MEXICO S.A. de C.V. |
創業 | 1964年8月24日 |
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資本金 | 4億1500万円 |
従業員数 | 285名(2018年3月31日現在) |
事業内容 | マスターバッチの製造および販売、CMPパッドの製造(半導体材料事業) |
導入製品
mcframe GA
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- 本事例は2018年9月現在の内容です。
- 本事例中に記載の肩書きや数値、固有名詞等は掲載当時のものであり、変更されている可能性があります。
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