海外現法社員たちは日本で何を感じたのか BE:YOND参加者座談会

ビジネスエンジニアリング(B-EN-G)グループは2025年3月、デジタル化におけるトップランナーの考え方や成功事例、先進的なソリューションを紹介する製造業向けイベント「BE:YOND 2025」を都内で開催した。会場には、パートナー企業24社がブースを構え、製造業やIT企業の関係者1000人以上が来場した。B-EN-Gグループの各海外拠点からもスタッフが参加し、東京で一堂に会したメンバーに、イベントの感想やそこでの発見について語ってもらった。

【話者紹介】

エイ(Kornnaran Panguthai)=タイ
2016年入社。現在はセールス&マーケティングチームで、新規顧客や既存顧客の獲得に向けた活動全般を管理するマネージャー。

シー(Porathat Kiatpapan)=タイ
タイ法人には2024年入社。以前はイベント系の会社に勤めていた。セールスエグゼクティブとして、新規・既存顧客への営業活動を通じたビジネス拡大を担っている。

ディマス・トゥルヤント(Dimas Trulyanto)=インドネシア
エンジニアとして会計・原価計算関連のサービス導入やコンサルティングを担当し、現在はマネージャー。大学院卒業後、日本での勤務を経験している。2016年入社。

宮城 真一郎=インドネシア
沖縄県出身。ITのエンジニアとしてインドネシアで勤務していたなか、2023年からB-EN-Gの現地法人に入社。日系企業へのセールスとマーケティングを担う。

徐 熠帥=上海
2015年、B-EN-G上海入社。営業マーケティング部に異動している。日本には、出張などを含めて計2年ほど過ごした経験がある。

ジョナサン・ブラント(Jonathan Brandt)=アメリカ
佐賀県で7年間英語教師として働き、2017年にB-EN-Gアメリカに入社。現地製造業向けにIoTソリューションの営業とコンサルティングを行いながら、マーケティングも担当。
「グローバル」「DX」の機運を実感
――BE:YONDに参加された感想を教えてください。シー: 多くのパートナーや顧客が参加し、出展ブースには24社が軒を連ねていた。

徐:会場でさまざまな顧客やパートナーが言葉を交わしているのが印象的でした。B-EN-Gがビジネスのプラットフォームになっていることも視覚的に感じました。
――日本と海外の違いを感じたところはありましたか。
エイ:タイのイベントと比べ、セクションの構成などの運営方式に文化の違いは感じましたね。あと、参加する人たちの姿勢が大きく異なります。日本の皆さんが、きちんと椅子に座って腰を落ち着けて、プレゼンターの話に集中して耳を傾けている姿が印象的でした。
徐:マーケティングを任されるようになった身としては、イベントを主催できる、ということ自体が魅力的に映りました。上海でもいずれこんなイベントを主催してみたいですね。そのためにもビジネス展開を頑張らないといけないと、身の引き締まる思いがしました。
――「デジタル製造業」がイベントのキーワードでした。そうした機運は感じられたでしょうか。
エイ:日本語は分からないのですが、キーノートのセッションや会場の雰囲気からAI(人工知能)、DX(デジタル化)の機運や関心の高まりを強く感じました。これはタイの製造業でも関心の高いテーマですし、「製造業のDXに向けた一歩をB-EN-Gがグローバルでサポートする」という社としての意志やメッセージも表れていると思いました。
ジョナサン:日本の方々が抱く印象とは異なると思いますが、日本やドイツと比較するとアメリカでは、まだDXが進んでいない現場も少なくありません。アメリカで事業をしている方とも会話をしましたが、同様の認識を確認し合い、「アメリカにはまだビッグチャンスがある」と確信できました。
宮城:日本本社のIT部門の方に話を聞いたのですが、「確かに機運は高まっているし海外拠点のDXを本社として支援したいと考えているが、その余力がない」という課題感を話されていました。こうした課題については、まさに私たちのようなB-EN-Gの現地スタッフや、パートナー企業が力になれるので、頼って欲しいと思いました。
世界の仲間と「一緒にやっていこう」
――イベントには、さまざまな海外拠点のメンバーが集まりました。ジョナサン:過去にリモートを通じて仕事をしてきた仲間と、対面で話せたことが最も嬉しかったです。温かく歓迎してもらい、会社に対する熱い思いが込み上げてきました。B-EN-Gメンバーが持つビジネスの力とナレッジの豊かさにも感心させられ、「すごくパワーのある人たちの集まりなんだ」と実感しました。
徐:提案中のお客様と対面でお会いし、あいさつする機会に恵まれました。

エイ:直接の会話以外にも、会場には海外展開やグローバルビジネスに興味を持っている企業の人たちが大勢いました。そうした人たちの会話がそこかしこで交わされ、メンバーが具体的な助言をする様子も目にしました。ビジネスの盛り上がりを感じられたことは、ひとつの収穫だったと思います。
――B-EN-Gという会社に対する思いは変化しましたか。
シー:企業に対するロイヤリティ(帰属意識)は強く感じました。みんなが同じ会社の同僚で、仲間である。その実感を持てて嬉しかったです。
エイ:

滞在中、日本本社の社員はみんな親切でした。本社を訪れた時も、入館カードがなくて困っていたところに、わざわざ社員がパスカードを持って駆けつけてくれました。これはほんの一例で、些細なエピソードではありますが、こうした社員の行動一つ一つにB-EN-Gの文化を感じられて嬉しかったです。
宮城:会社が好きな人が集まっている「ワンチーム」な組織だなと感じました。縁あって入社しましたが、長く一緒に働きたいという思いは強くなりましたね。本社オフィスの和気あいあいと働く雰囲気も気に入りました。壁にスローガンが貼られていて、ボトムアップな風土が感じられます。
BE:YONDのようなイベントを現地で企画したい
――今回参加したBE:YONDや日本滞在を通じて、「現地に戻って生かしたい」と思える学びや発見はありましたか。エイ:日本本社の若手世代が熱心に勉強している様子は印象的でした。タイのチームにも知識を積極的に身に付けるよう促し、質の高いサポートに繋げたいです。
ディマス:インドネシアでイベントを開催してみたいなと思いました。

宮城:他拠点メンバーとの交流のなかで、営業作法や資料の作り方など、「こういうやり方があるのか」という発見が沢山あったので、それは生かしたいです。あとは「意外と背の高い人なんだな」とか、リアルに一度会うことによる発見で、オンラインでも会話が弾みやすくなり、シナジーが生まれやすくなる面もあると思います。今後に期待したいですね。
ジョナサン:日頃からサポートをしてもらっていることは、すごくありがたく思っています。

ディマス:せっかく海外拠点があるのだから、「日本本社の皆さんにもっと来てほしい」と思いましたね。「海外のここに、子会社があるよ」という存在感を、もっと日本のスタッフにも感じてもらいたいです。

(文・共同通信デジタル / 撮影・Taira Tairadate)
※本記事は2025年3月現在の内容です。