インドネシア法人でのクラウドERP導入 Before/Afterを語る (前編)

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ビジネスエンジニアリング(以下、B-EN-G)の海外現地法人の1社として、インドネシアに拠点を構えるのが、PT. Toyo Business Engineering Indonesia(以下、B-EN-Gインドネシア)。B-EN-Gインドネシアは2015年に設立し、インドネシアを中心に、製造業向け業務パッケージ「mcframe」を始めとするB-EN-G製品の販売・導入・保守運用を行っている。
今回はB-EN-Gインドネシアが、B-EN-Gが提供しているクラウド型国際会計&ERPサービスの「GLASIAOUS」の導入に至った背景から導入、本稼働に至るまで、B-EN-Gインドネシア、そして記帳代行を委託している現地の日系会計事務所であるPT Asahi Networks Indonesia(以下、朝日ネットワークス)、B-EN-G本社経理部のメンバーに赤裸々に語ってもらった。

クラウドERPの導入のきっかけ、課題、背景について

sasaki
PT. Toyo Business Engineering Indonesia 
(B-EN-Gインドネシア)
President Director 佐々木 淳 

B-EN-Gインドネシア 佐々木 :
B-EN-Gインドネシアは16名という小さい会社ですので、会計の専門担当者がおらず、朝日ネットワークスさんに記帳代行をお願いしていました。また、自社だけではなかなかチェックも行き届かず、B-EN-G本社の経理部にも依頼して、3社で会計業務を回していく形をとっていました。

当時、共通のシステムがなくエクセルでやりとりをしていたので、そのやりとりが非効率で、その上販売購買データもGoogleドライブの共有のスプレッドシートで管理していました。しかしそれも見積・受注・売上など繋げるのは人力だったので、その辺をどうにかしたいと悩んでいました。自社でもシステム導入を支援している立場なので、自社ができていないことをずっと課題に思っていました。

コロナ以前から、会計の業務をシステム化したいと思っていました。以前はスプレッドシートで対応していたため、受発注管理においてデータを紐づけしにくい状況でした。また請求書などの帳票類をPDFデータ化してフォルダで管理をするのですが、煩雑で限界を感じていました。一度、月次会計のときにミスが発覚し、PL、BSを後から修正する事態が発生し、朝日ネットワークスさんにもB-EN-G本社の経理メンバーにも迷惑をかけてしまったこともありました。

また、月次のPLと利益については、月中の仕入、販売の一覧はスプレッドシートで見られるものの、朝日ネットワークスさんに当月の請求書などを提出し、それを仕訳してもらってからでないと月次の利益は把握できませんでした。経営者として現状利益がでているかはなんとなくわかるのですが、1か月後、2か月後にようやく確定して分かるという状況だったのです。他社の業務システム導入を支援している立場上、自社がシステム化できていないことを課題に思っていました。こうした背景の元、2020年4月から本格的にGLASIAOUS導入を検討し、7月には導入作業をスタートさせました。2021年1月には稼働し、その後は売上や仕入を登録した時点でPLが見えるようになり、経営判断のスピードが早くなり、非常に助かっています。

課題・背景
【B-EN-Gインドネシア】
・会計担当がおらず、会計事務所に記帳代行依頼
・販売購買データを3社(B-EN-Gインドネシア、朝日ネットワークス、B-EN-G本社)でGoogleスプレッドシートにて管理しているので受発注管理においてデータを紐づけしにくい
【B-EN-G本社】
・スプレッドシートの内容がうまく会計データに転記されていない
【朝日ネットワークス】
・資料の情報共有が難しい

ポイント
① スプレッドシートでの共有の限界
② 非効率で結果、人的ミスが発生する

記帳代行をしている朝日ネットワークスの、GLASIAOUS導入以前に感じていた業務上の課題について

rausa-wara-san左:PT Asahi Networks Indonesia(朝日ネットワークス)
Senior Consultant (Accounting) Walla Astianty Putri 氏 
右:PT Asahi Networks Indonesia(朝日ネットワークス)
Consultant (Accounting)  Raisa Bryantia  氏

朝日ネットワークス ワラ氏・ライサ氏:
GLASIAOUSの導入以前は、記帳代行に必要な資料の情報共有が難しかったです。具体的にはB-EN-Gインドネシアから資料を共有してもらう際、先にB-EN-Gインドネシアの資料をB-EN-G本社経理部の三觜(みつはし)さんがチェックし、その後にB-EN-G本社より情報共有していただいていました。GLASIAOUSでは、システム上に資料を添付することができるので、より共有しやすくなりました。

 

mitsuhasi san
ビジネスエンジニアリング株式会社(B-EN-G本社) 
経理部 三觜 雄嗣 
B-EN-G本社 経理部 三觜:
以前は補助的な情報をエクセルで作って朝日ネットワークスさんにお渡しして、会計システムにインプットしてもらうことをやっていましたが、スプレッドシートが会計データに簡単には転記できない課題がありました。本社経理側では
やや複雑な仕入と売上の予定表のリストを作っていたのですが、本社経理側でリストを作って朝日ネットワークスさんの管理されていた資料に落とし込む作業も発生しました。今はそれらが解消されています。

 

インドネシアの商慣習、税制、会計の慣習などインドネシアの特有の課題について

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PT Asahi Networks Indonesia(朝日ネットワークス)
President Director  岡本 芳郎 氏

B-EN-Gインドネシア 佐々木 :
主に2つあり、1つはWithholding TaxWHT:源泉徴収税)です。通常はVAT(付加価値税)でという国が多いですが、インドネシアはそれにプラスして、WHTの取り扱いが取引で出てきます。もう1つは政府の保有する納税のためのシステムがあり、ここに取引データを入れて政府の納税処理につなげるというところがインドネシアの商習慣です。

朝日ネットワークス 岡本氏:
確かに源泉税は、性悪説の国であるが故なのですが、取引毎に税金を前払いで支払う仕組みのため、随時、源泉税という名のもとこれを月次で納税申告することになります。日本人には馴染みにくく、初めて日本から来られた方は「どうなっているの?」と、仕組みの理解から始まることもあります。

VATの税制については歴史的に制度が度々変更されていまして、その度に実務が混乱するということを経験しています。その背景にはVATを払ったかの如く処理をして、還付申請をすることで税金を横領する事件が多発していましたので、そういった事態を未然に防止したいという思惑が常にあったとの理解です。現在はVATに関する各企業の全取引が税務署のシステムで一元管理されています。VATが発生する取引全ての情報がシステムで管理されるので、VAT取引および申告の手間は複雑ですが、行政側からすると間違いや不正が生じにくい仕組みになっていると思います。日本に比べて税務の電子化は進んでいる印象ですが、行政側で都合が良い部分だけが電子化している印象です。納税者側の利便性などを考えるともう少し統合された形になっていくことが望まれます。

またインフラの問題として、突然インターネットが繋がらなくなったり、スピードが突然遅くなったりすることがあります。日本でももちろんそういった事態は生じるわけですが、ネットワークインフラがもう少し安定しないとシステムを信用して使うことが難しく、常に不安を抱えながらシステムを利用している状況です。

B-EN-Gインドネシア 佐々木:
インドネシアのルピアは小数点2桁まで使う通貨なのですが税金計算して10%で出されたとき、小数点2桁まで端数が出ることが当たり前で、この小数点以下2桁を切り捨てした金額が税金になります。システム的には切り捨ての機能はあるものの、税金額の場合に小数点以下で切り捨てする、という機能がまだない状況です。つまり、12.56(税金額)のときに、12.00となるのが正しい税金額ですが、システムには小数点以下2桁までルピアがあるので、どこで切り捨てするかという選択する機能がまだできないという状況です。税金計算のときのみの特殊な対応となります。

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PT Asahi Networks Indonesia(朝日ネットワークス)
Manager   稲田 直也 氏 (Japan Desk)

朝日ネットワークス 稲田氏:
インドネシアの税務ルールがややこしいが故に起こるインドネシア特有の問題が存在します。インドネシアでは100ルピア以下のコインがないので、インドネシア人は1ルピア自体を気にしていません。例えば、請求金額が100.01ルピアだったのに入金が100ルピアしかないと、差額が0.01ルピア分発生し売掛金が残ってしまう。しかしインドネシアでは特有な税務上のルールとして、商慣習上は許容されます。日本の方にとっては、この0.01という端数が気になると思います。

またレートに関しても税務と会計のレートが分かれているため、日本円で支払いを行う場合、請求書をもらう際に「税務上はこのレート、会計上はこのレートを使ってください」というように2種類が示されます。インドネシアの税務ルールがややこしいが故に起こるインドネシア特有の問題が存在します。源泉税10%といっても日本円×レートの部分が違うので、会計上の10%の金額にはならなかったりします。このあたりは、システム導入ではよく問題として挙がり、税務上のレートと会計上のレートを分けて使えるか、製品提供元に質問しています。

indonesia office

B-EN-Gインドネシアの事業内容、成り立ち、特徴について(B-EN-Gインドネシア 佐々木)

設立は2015年で、B-EN-Gの製品mcframe生産管理パッケージを中心にライセンサーとして販売、導入、保守を行っています。今回B-EN-Gインドネシアに導入したGLASIAOUSのERP/会計パッケージ版(mcframe GA)もインドネシアのお客様に導入しサポートするため導入しました。
生産管理のプロダクトを持っているため製造業のお客様が多く、mcframeのユーザは、50社以上になりました。
生産管理や会計に強いメンバーがいるので、自社で提案・導入・保守までできるのが強みです。15人くらいの体制なので、上海やタイのB-EN-G海外拠点に比べると小さいですが、保守までサービスを提供させていただいているユーザも年々増えています。
インドネシア国内対象で販売活動を展開していますが、シンガポールやマレーシア、タイ、フィリピンの既存ユーザの導入支援(GLASIAOUS)も行っています。

 

朝日ネットワークスについて (朝日ネットワークス 岡本氏)

2012年の4月に起業した会社です。リーマンショック後の日系企業の海外進出ラッシュが続き、インドネシアに多くの日系企業が進出した時期でした。約600人程度の人員を抱える日本の中堅大手の朝日税理士法人のグループ会社と合弁でインドネシア法人を設立しました。
私と妻(インドネシア人)とで顧客ゼロからスタートさせ、現在総勢50名弱の所帯になりました。
朝日ネットワークスの名前がついている海外法人はインドネシア、タイ、フィリピンの3か所ですが、他にも中国、ベトナム、インドには提携先事務所があります。これらは朝日税理士法人とは資本関係はありませんが、グループとして海外ビジネスに強い会計事務所を形成するという意識のもと一緒にやっていまして、海外法人の代表者は毎月の定例会議と3ヶ月に一回の対面会議、更に提携先事務所とも不定期的ですが会議を実施しています。
全ての海外法人で日本企業向けサービスを提供する日本人スタッフは駐在員という形ではなく現地雇用です。インドネシアはジャパンデスクメンバー3名ですが帰任ということはありませんので、お客様にとっては担当者が変わらないことで一貫したサービスのご提供をさせていただける点が強みだと思っています。

朝日ネットワークスインドネシアのサービスについて
弊社はいわゆる会計事務所ですが、インドネシアに新規進出を希望される日系企業様への投資関連の情報提供など、進出前のサポートから始まり、会社設立サポート、本業である会計や税務サービスの提供、更には提携先監査法人からの監査サービスの提供など幅広いサービスをワンストップで提供させていただいています。
また、顧客のほとんどは日系企業ですが、インドネシアに進出されている企業様だけでなく、日本やアジア諸国に進出されている日系企業様にもサービス提供をさせていただいています。顧客の業種は製造業、商社、IT関連、その他サービス業など多岐にわたって対応をさせていただいていますが、二輪、四輪関係の協力会社様の比重が多く、その多くが原価計算制度の構築を求められていますので、B-EN-Gインドネシア佐々木さんにご相談させていただいています。

後編につづく
※本インタビューは2021年12月現在の内容です。

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  1. インドネシアの独自要件に柔軟に対応
  2. 工業団地のお客様に素早く&手厚いサポート
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