タイでmcframe GAが支持される理由 現地に溶け込む日本人コンサルの存在
東洋ビジネスエンジニアリング(B-EN-G)のタイ現地法人、Toyo Business Engineering (Thailand) Co., Ltd.(B-EN-Gタイ)で長年勤めるベテランの日本人コンサルタント2人にインタビューし、なぜB-EN-Gのグローバル経営管理ソリューション「mcframe GA」が多くの日系企業から選ばれるのかを探った。
タイ語や英語を流ちょうに操るなど現地に溶け込み、アジアならではの課題にプロフェッショナルとして誠実に向き合う2人の姿がそこにあった。
加速するアジアビジネス
B-EN-Gタイ Partner Support Div. Manager 二渡壮一
B-EN-Gタイのソリューション1部部長を務める二渡壮一が、タイにやって来たのはちょうどアジア通貨危機が襲った1997年だ。その後、20年以上にわたってタイの経済社会とB-EN-Gタイの発展をこの眼で見てきた自負がある。
当初、バンコクには都市鉄道もなかったが、「99年末に高架鉄道(BTS)が開通してから、バンコク社会とタイ人は大きく変わった」と話す。道路の交通渋滞を言い訳にするなど時間にルーズだったタイ人が、「約束時間に正確になり、歩くスピードすら速くなった」という。インフラの発達によってタイの社会に大きな変化をもたらしたのだ。
mcframe GAの原型
この20年でタイのビジネスも加速した。1990年代後半から日本に本社を置き、タイを中心に東南アジア、中国でERP(統合基幹業務システム)「A.S.I.A.(エイジア)」を展開していたNTTデータと住友商事の合弁会社、エイジアン・パートナーズだが、2007年にB-EN-Gが同社を買収すると、A.S.I.A.の日系企業向けの営業が強化された。
B-EN-Gタイのオフィスに今も飾っている世界地図は、エイジアン・パートナーズ時代に丸の内本社オフィスに掛けられていたもの。導入社数が一番多かった「バンコクで使ってください」と、譲り受けてきたものだ。エイジアン・パートナーズがアジア各地に構えていた拠点や人材などを含めたさまざまなリソースが、B-EN-Gにそのまま引き継がれた歴史を物語っている。
B-EN-Gは2017年、世界展開を目指す意味合いを込め、同ソリューションの名称を「A.S.I.A.」から、2018年現在の「mcframe GA」にブランドを変更し、インターフェイスも刷新されるなどシステム自体も進化を遂げた。「以前はお客様のサーバーで運用(オンプレミス)していたが、現在はクラウドベースが主流となっている」と二渡は説明する。
標準パッケージの良さ
「mcframe GAに対してはカスタマイズなどさまざまな要望が寄せられるが、なるべく標準パッケージで販売するように心がけている」と二渡。お客様の意見などを取り入れる1年に2回のメジャーなバージョンアップがある。
タイでは転職率が高いこともあり、標準パッケージ導入の重要性も理解されている。もし会計担当者が転職したとしても、標準パッケージであれば、会計周りの属人化やブラックボックス化を心配することない。
今、日本企業のアジアでのビジネスは地域的にも業種的にも広がりをみせている。二渡は「世界のグローバル各拠点に統一したERPを導入したいという日本企業は増えている日本の本社が複数の海外拠点にmcframe GAを導入するケースも多く、本社で複数拠点の会計を含む経営状況を把握することも可能。タイやシンガポール、マレーシア、インドネシア、中国などアジア各地に拠点があるB-EN-Gのサービスを選んでもらえる機会は増えている」と話した。
タイ語で導入支援する強み
B-EN-Gタイ Division Manager 谷澤雅人
谷澤雅人もタイ在住年数は11年になる。日本の大学で会計を学び、簿記資格も持つ。卒業後に大手ベンダーで生産管理システムの開発に携わったほか、独立してウェブサービスの提供をした経験も持つ異色の存在だ。
B-EN-Gタイでの勤務は7年ほどになるが、勤務しながら2年間、バンコクにある私立アサンプション大学に通い、MBA(経営学修士)も取得している。谷澤は「同大学の授業はすべて英語で行われた。教科書も論文も英語だった。教授陣や学生仲間との議論は活発で、英語やタイ語能力が非常に鍛えられた」という。
タイ人社会に入り込む日本人
「タイの社会文化を知り、タイ語ができる日本人コンサルタントがいることがmcframe GAの強みになっている」と谷澤は強調する。
タイの日系企業の経理はタイ人スタッフがコントロールしていることが多い。しかもタイと日本の経理の仕組みも異なる部分がある。谷澤たちはタイ人スタッフからこうした経理の違いを学びつつ、彼・彼女らにmcframe GAを導入していくメリットを理解してもらう必要がある。「こうした時、私たちタイ語を話す日本人スタッフが彼らとコミュニケーションをとると、すんなり理解してもらえることが少なくない」と谷澤は言う。
時に日系企業の現地法人内でせめぎ合うこともある日本人とタイ人スタッフの間に二渡や谷澤らが入り込み、タイ語や英語でmcframe GAを説明し、正確に理解してもらうことによって日系企業のお客様はシステムの機能面を心配することもなく、主要な業務に集中できる。
「タイでタイ語と英語ができて、会計もシステムも分かる人材がサポートするmcframe GA。そういった意味で選んでくれるお客様もあり、私たちの存在意義が認められているようで嬉しい」と笑顔をみせた。
(取材協力:NNA)
※本インタビューは2019年1月現在の内容です。