業種を越えて集い、成長する場 mcframeユーザ会(MCUG)
B-EN-Gの生産原価管理ソリューション「mcframe」を利用する企業が集まる「mcframeユーザ会(MCUG:mcframe Users Group)」。同社が拠点を設ける各国・地域で定期的に開催し、ユーザ同士が業界の垣根を越えてものづくりの課題を共有し、解決の糸口を探す貴重な機会となっている。上海市内で開かれたMCUGの様子をレポートする。
爽やかな晴天に恵まれた2019年9月19日、上海市浦東地区の瀟洒なブックカフェに、日系企業約10社が集まった。いずれも中国でmcframeを導入するユーザ企業だ。
主な参加者は、経営管理者や実際にシステムを利用している製造現場のリーダーら。建設機械や薬品など同じ製造業でも業種は多岐に渡り、普段の仕事で顔を合わせることはほとんどない。
B-EN-G上海の孫強総経理は冒頭のあいさつで「mcframeの活用の仕方も企業によって少しずつ違う。ユーザだからこそ気づく点を提案していただき、mcframeの改善に役立てたい。ユーザ同士のコミュニケーションの場にしていくことで、お互いに成長していくことができる」と述べた。
ゲスト講師による講演
前半はゲスト講師による講演会が行われた。初めに登壇したのは、コンサルティング会社、経営共創基盤(東京都千代田区)の中国法人、益基譜管理諮詢(上海)有限公司(IGPI上海)の木村尚敬・董事長兼総経理。「見える化4.0~稼ぐ力を取り戻すIoT時代の新しい経営の在り方は」をテーマに講演した。
木村董事長はAIとIoTの活用事例を紹介し、「ものづくりのプロセス全体を一気通貫に管理することで、ビジネスモデルの多様化に対応できるようになる。稼ぐ力を取り戻せる」などと指摘した。
続いて、ソフトウェア会社ウイングアークの中国法人、文雅科信息技術(上海)の野村敬・総経理助理が「ペーパーレス化・モバイル活用」と題し、帳票などをペーパーレス化するソリューションを紹介した。
参加したユーザは熱心にメモを取るなどして聞き入っていた。
ユーザ同士が意見交換
後半の討論会では、ユーザ企業からさまざまな意見が出た。
「mcframeは在庫などの数値を誤入力していても、月末の締めの段階まで発見できないことがある。どうしたら良いか?」「弊社では数値の入力段階で各部門が再チェックすることをルーティンとしている」。ユーザが質問を投げ掛けると、他のユーザが自社の対策を話す。
他にも「mcframeは標準機能が充実しているが、自分たちが利用していない項目も出てきてしまい利用者が混乱してしまう。利用項目に絞ったフォーマットにしてもらうことはできないか」などと、ユーザならではの生の声が飛び交う。
こうした意見はB-EN-G社内で検討され、システム改修に反映していく仕組みだ。
「組織の成長に役立つ」
上海から約700キロ離れた青島から参加した建設機械メーカー担当者は、ほぼ毎回参加している常連だ。
「他のユーザから最新情報を共有してもらえるので、毎回とても有意義です。ユーザ同士のコミュニケーションは課題解決の糸口を見つけられるだけでなく、組織の成長にも役立っています」と笑顔で話す。
この会がきっかけとなり、参加者同士で連絡を取り合い業務の相談をすることもあるという。
製薬会社の担当者は「ユーザが集まってmcframeの運営面で気づいたことを話し合い、B-EN-G側もユーザの意見を汲み取ってシステムに反映してもらえることは素晴らしい」と参加の意義を強調する。
“生産管理システム”という通常は自社のために閉ざされているはずのツールが、交わることのない異業種の出会いの場を作り出す。MCUGはシステムの概念を超えて新たなイノベーションのきっかけを提供している。
(取材協力:NNA/監修・共同通信デジタル)
※本インタビューは2019年9月現在の内容です。